クレジットカードの現金化は、年々利用者が増加しています。しかし、その裏側で悪質な詐欺業者の被害に遭遇してしまう消費者も後を絶ちません。
その実態は、消費者庁が行っている消費者調査でも明らかになっており、ちょっとしたトラブルから犯罪で業者が摘発されてしまうようなものまで様々な報告があがっています。
たくさんのトラブルや被害の事例が紹介されていますので、自分が被害にあわないためにも把握しておいた方がいいでしょう。
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目次
現金化トラブル① クレジットカードの利用額以下の現金しか振り込まれない
このケースは、ユーザー側に勘違いがあった可能性があります。クレジットカード現金化というのは、基本的に業者の取り分である手数料が引かれた額が振り込まれるので、クレカの決済額以上に現金が振り込まれることはありません。
可能性があるとすれば、何らかの特典が付けられた場合で、それ以外では換金率を100%以上にしてしまうとビジネス自体が成り立たなくなってしまいます。事前に、100%以上の換金率を表示されたのであれば詐欺の可能性がありますが、それを知らずに現金化をしていた場合は、ユーザーの勘違いの可能性が高いでしょう。
また、このケースではクレジットカードの限度額一杯の買い物をしてしまったため、支払いを終えるまでカードが使えないという報告が上がっていますが、こちらもショッピング枠すべてを換金しているので当然です。
現金化の仕組みをよく知ってから利用
このケースの対策法としては、消費者自身がクレジットカード現金化の仕組みについて、よく理解する必要があるでしょう。それほど難しい仕組みではありませんが、どうしても理解できない時にはスタッフに問合せをすると、快く回答してくれることがほとんどです。
現金化トラブル② キャッシュバック方式の現金化で購入した商品に値打ちがなかった
こちらも上のケースと同様にユーザーが現金化の仕組みをよく理解していない可能性があります。キャッシュバック方式というのは、現金化サービスでよく用いられる方式のひとつで、商品購入のキャッシュバック特典として現金化が行われます。そのため、商品自体を価値のあるものにしてしまうと、業者側に相当の損害が発生してしまい、サービス自体が成り立ちません。これはパチンコの換金の際に特殊景品がクッションとして使われるのと似たようなものです。
現金化トラブル③ 審査に通らないから別の方法を紹介する
これは典型的な詐欺業者の手口で、このような話を切り出されたら速やかに利用を停止すべきです。そもそも、クレジットカードの現金化はショッピング枠の残高を使って買い物をするものです。そのため、カード枠に残高さえあれば、審査など存在しないのです。
このケースでよくある別の方法というのがヤミ金融での借金というものです。悪質な現金化業者はヤミ金と連携していることも多く、社会問題になるケースも珍しくありません。
現金化トラブル④ ブランドバッグを買わされ高額の手数料が請求された
ブランドバッグなどはカード会社が換金性の高い取引として監視している可能性があります。不自然な取引でブランド品を繰り返し売買すると最悪の場合カード利用停止になってしまうこともあります。
さらに、ブランドバッグを買うように業者に命令された場合は、購入者に商品を選ぶ権利がないことになり違法になる可能性があります。加えて、一方的に消費者に不利である不当な換金率での現金化ということで、これと同じような手口の業者が実際に犯罪で逮捕された例もありますので、非常に危険な業者であることがわかります。
現金化トラブル⑤ カード番号と有効期限を業者に渡した
カード番号を業者に伝えると、後々面倒なトラブルに巻き込まれる可能性が非常に高くなります。クレジットカード現金化の際の決済は、カードの持ち主が番号を入力すれば良いだけなので、業者側がカード番号を知る必要は一切ありません。これも悪質業者の手口として有名なので、カード番号を聞かれた時点で疑問に思う必要があるでしょう。
現金化トラブル⑥ 現金化を利用した後に身に覚えのない振り込みがあった
これはヤミ金がよく使う「押し貸し」と呼ばれる方法で、お金を押し付けるかのように口座にいきなり振り込みされます。完済を防ぐために使われることもありますし、他ユーザーの支払い用の口座として使われる可能性もあります。
この場合は早急に弁護士や警察への相談が必要です。放っておくと、銀行口座が凍結されたり、詐欺グループのひとりとして逮捕されてしまう可能性すらあるのです。このようにプロが使うような手口も見受けられることから、悪質な現金化業者とヤミ金が連携しているという事実がわかります。
現金化トラブル⑦ 無理にクレジットカードの現金化を勧められた
悪質業者の被害にあってしまう方は、何もクレジットカードの現金化をしようと思っている方だけではありません。自動車ローンやキャッシングを申し込んだところ、なぜかクレジットカードの契約をさせられ、現金化を勧められるというケースもあります。これまでのケースは、ユーザーに現金化をしたいという明確な意思がありましたが、こちらのケースは知らず知らずのうちに現金化させられそうになっているのです。このことから、様々な切り口から消費者を騙す手口を用意している悪質業者が存在することがわかります。
総量規制からトラブルは増加し始めた
今回は、消費者庁や国民生活センターに寄せられた相談から抜粋して現金化にまつわるトラブルを紹介しました。ユーザーの勘違いによって発生したものから、現金化する気が全くない方が騙されるケースと様々です。
これらのトラブルは総量規制後から爆発的に増加し、現在はやや落ち着きつつあるものの、中には消費者に罪の意識を植え付けて警察や各機関に報告させないケースもあるので、これらのケースは氷山の一角ともいえるでしょう。
悪質業者は、騙されやすいユーザーのリストを持っていますし、時には優良業者と一見変わりのない対応をすることもあります。そのため、少しでもトラブルの臭いを感じ取ったら、慎重に対応することが大切です。