お金がなくて生活が厳しい時に国に助けてもらう制度と言えば、生活保護を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、そのほかにも国は生活が苦しい方をサポートするための様々な制度を設けていますので、生活保護だけにこだわらず、その他の方法も模索してみましょう。
意外に知られていない制度も多いので、現状お金に困っている場合や、万が一お金に困った時のために覚えておいた方がいいでしょう。
また、一部お金に困った際の生活立て直しに役立つコンテンツも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
生活福祉資金貸付制度
これはお金に困っている世帯に対して、国がお金を貸してくれる制度です。
借金といえば、クレジットカードや消費者金融を思い浮かべる方も多いかと思いますが、民間企業より借りるより、圧倒的に金利面で優遇されるのがこの制度の特徴です。
主に生活費や生活立て直しのために使うお金を借りることができ、金利は無利子もしくは、年利1.5%程度です。保証人を付けられる場合は無利子で、保証人がいない場合は年1.5%になり、サラ金などと比べると圧倒的に低金利だといえるでしょう。
貸付金は、「生活支援費」「住宅入居費」「一時生活再建費」の3種類です。例えば生活支援費は2人以上の世帯なら月額で最高20万円の貸付を受けられますし、単身世帯でも15万円です。
さらに、この生活支援費は最大12ヶ月まで受けられるので、その間に生活を軌道に乗せることは十分に可能だといえます。
求職者支援制度
仕事を失ってしまった時には雇用保険を使って生活を凌ぐことができますが、それも永遠ではありません。
万が一、雇用保険の給付が終わってしまった段階で仕事が見つかっていなければ、求職者支援制度を利用してはいかがでしょうか。
これは働く意思があることを前提に、職業訓練にかかる料金を援助したり、求職者支援を名目に融資したりする制度です。
職業訓練受講給付金は返済が不要で、最大月額10万円のサポートを受けられ、交通費まで面倒を見てくれる嬉しい制度です。
また、求職者支援資産融資は、年利3%の低金利で、同居配偶者などがいる場合、最大月額10万円、それ以外は月額5万円を融資してもらえる制度です。
状況によっては両方利用することも可能で、次の就職先が見つかるまでの間の大きなサポートになるはずです。
ある程度の年齢になってくると、どうしても次の仕事を見つけるまでに時間がかかってしまい、雇用保険だけでは足りない場合があります。そんな時に、この制度を利用すれば安全に再就職まで生活できます。
生活保護は様々な扶助の集合体
もしお金に困っているなら、生活保護についても今一度考え直す必要があります。生活保護は、受けたことのない方からすれば、単純にお金が貰える制度という認識かもしれません。
しかし、生活保護は様々な扶助の集合体であるといえ、具体的に8つの扶助が組み合わさってできたものです。その中でも特に大きいのが生活扶助で、一般的に生活保護と言われているのは、この生活扶助のことを指しています。
生活扶助とは
生活扶助とは、日常生活をしていく上で必要な費用を支給してもらえるもので、その費用も1種、2種に分かれています。
1種は、各々が個人の裁量で生活に必要と判断して使える費用です。2種は、主に月々の固定費が該当して、水道光熱費等になります。最低限度の生活を維持していくための要となる扶助だともいえるでしょう。
住宅扶助とは
これも生活保護の中では重要な扶助で、住まいの有無は貧困にダイレクトに関係する部分です。住宅に関係する費用の扶助は、家賃もそうですし、引っ越しの際の敷金礼金、賃貸の契約更新料など住まいに関係するものが該当します。
医療扶助とは
高齢者の生活保護になればなるほど、医療扶助の重要度は増してきます。これは、生活保護者に医療券を発行することで、金銭ではなく券で医療機関の受診ができるものです。医療機関での受診ならば、非常に幅広い範囲を対応してくれます。
例えば、社会生活には視力矯正が必要だと判断されれば、眼鏡も医療扶助で対応してもらうことができます。病気をしていては生活の立て直しは難しいので、まずは医療扶助を利用して体を良い状態に持っていくことも必要です。
その他扶助
上で紹介した3つの扶助の他にも義務教育中の子供に対して行われる「教育扶助」、要介護・要支援者に対して行われる「介護扶助」、出産時に行われる「出産扶助」、就職活動に対して行われる「生業扶助」、葬儀に対して行われる「葬祭扶助」、とそれぞれの状況に応じた扶助が存在し、それら全てをまとめて生活保護と呼んでいます。
不用品を売る
これは何度も活用できる方法ではありませんが、国が提供してくれる制度と組み合わせるかたちで利用していくのがおすすめです。
これまで不用品処分をしてこなかった方々は、家の中にお宝が眠っている可能性があるので、まとまった量になると数カ月程度の生活費にはなるかもしれません。
近年では、ネットで利用できるリサイクルショップの買取もありますし、ネットオークションもあります。これらを利用して不用品を処分することができれば臨時収入を得られるはずです。
自分ではガラクタだとしても、他人にとってはそうでない可能性もあり、実際に処分寸前の玩具をオークションに出品したところ、数万円の価値が付いたというケースもあるのです。
様々な国の制度を知って有効に活用しよう
このように生活保護を含む、比較的知名度の高い制度だけでも、これだけの種類があります。その効果も十分に生活を立て直せるだけの金額を得られるものなので、これを利用しないのは損だといえるでしょう。
国は、あくまでも本人の力で生活を立て直すことを望んでおり、これらの制度はその立て直しの際に役立ててもらおうというサポートなのです。
しかし、なかなか制度がわかりにくいのも事実なので、できれば本当にお金に困る前にこれらの制度をよく把握しておきましょう。